2015年10月02日

日本放送協会事件

NHKの契約業務、受信料集金業務を行うスタッフに関する東京都労委命令
団交拒否の正当理由は、一定の事由に限定されていて、団交は受諾することを前提に考えるべき。発言の事実判断について、問題の事実の直後に抗議するなど、その場での対応が無かったことを理由に発言は無かったと判断している点に注目したい。
http://www.toroui.metro.tokyo.jp/image/2015/meirei23-102.html
概要は以下のとおり。
@スタッフの労組法上の労働者性、A労組法27条2項(1年経過した事実については不当労働行為審査の対象外)の適用の有無、B組合蔑視の発言が支配介入に当たるか、C発言事実の否定は誠実団交義務に反するか、D団交拒否の正当理由の有無、の5点が争われた事案。
@のスタッフの労組法上の労働者性については、最高裁判断(事業組織への組み入れの程度、契約内容の一方的決定性、報酬の労務対価性、諾否に自由が無いこと、時間的・場所的拘束の程度、独立事業者としての実態があるか)をそのまま踏襲して労働者性を認めている。ちなみに、労基法・労働契約法上の労働者性については否定されている裁判例が多数ある。
Aについては、労組法27条2項の適用を認め、対象外としている。複数回行われた発言が継続する行為として、その発言が行われた最後の時から1年以内であれば審査の対象だが、それらの発言は継続する行為ではないとしている。
Bの、発言が支配介入に当たるかは、そもそも発言の事実を認めていない。その理由として、発言の前後の事実関係から具体性に乏しいと判断されている。とくにこれらの発言に対して、その場で抗議をしていない点が挙げられている。
Cについては、Bで発言の事実自体が認められないとしているため、判断の余地はない。
Dについては、上部団体役員の出席を理由に団交を拒否している点について、会社が主張する、上部団体の役員が団交に出席しない旨の合意は、実態が無いもの判断している。
posted by 河童 at 05:08| 労働委員会命令 | 更新情報をチェックする

2015年07月10日

日本アイ・ビー・エム不当労働行為再審査事件

いわゆる「ロックアウト解雇」に絡む不当労働行為救済命令
http://www.mhlw.go.jp/churoi/houdou/futou/dl/shiryou-27-0710-1.pdf

解雇そのものの判断ではないが、団体交渉で解雇理由を議題としなかったことが不当労働行為とされたもの。
もともと予定されていた団交予定日の数日前に組合員が解雇通告を受け、具体的な理由説明を追加議題とすること求めたが会社が拒否した。しかもその団交予定日が、自主退職申し出期限(自主的に退職すれば、解雇を撤回し、退職金が上澄みされる)というのもあまりに意図的というか、あからさま。
この命令が解雇の効力に直接影響するわけではないが、もうちょっと人情味のある対応をすれば、多少はしこりも残らないだろうに…

ちなみに都労委の初審救済命令は
http://www.toroui.metro.tokyo.jp/image/2013/meirei24-80.html

このロックアウト、本来は労働争議の際に使用者が対抗措置として用いる手段で、この事件の解雇に際しては、解雇通告と同時に出社禁止を命じているので、ロックアウトのようだということで、ロックアウト「型」解雇と書かれているものもある。当時の話題になったこのロックアウト解雇、実態は整理解雇であって、会社側の一方的な都合によるものなのだから、会社も正面から整理解雇として取り扱えば、問題には違いないが、ここまでセンセーショナルには受け止められなかったのだろうと思う。
posted by 河童 at 17:36| 労働委員会命令 | 更新情報をチェックする

マイナンバー管理をあえて紙媒体にするという選択肢は一考の余地あり

名前だけが一人歩きをしているようなマイナンバー、導入されれば対応しない訳にはいかないのですが、ここでなるほどと思ったのは、パソコンを利用せずに、あえて「紙」で管理するという選択肢があることです。行政の広報などでも、必ずパソコンで管理することは求めていませんし、とくに従業員が何千人もいるわけではない中小企業などは、漏洩リスクを回避する方法として、一考の余地ありだと思います。
マイナンバーの理解をするための資料がいろいろ提供されていますので、ご参考までに。

まずはすぐに読める2ページ資料:http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/download/checklist.pdf
(コンパクトですが字ばっかり)
中小企業向け資料:http://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bangoseido/download/kojinjigyou.pdf
(13ページもありますが、図解が多いので理解しやすい)
解説動画:http://www.gov-online.go.jp/tokusyu/mynumber/ad/kj_movie/jigyosya.html
(20分。ちょっと長いですがお時間のある時に…)
posted by 河童 at 03:25| information | 更新情報をチェックする